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「イッタ! なにすんの!!」
「八つのガキがなに言ってんだよ。そういうことは、最低でも二十年生きてからにしろ」
「ふーんだ。それ言ったら、ユーリだってまだ二十四でしょ? あんまり威張ったこと言えないよ?」
ユーリは彼女の頭の上に置いたままの手でぐりぐりと頭頂部を攻撃した。
すずは悲鳴を上げて逃げ出し、頬を膨らませてユーリを睨む。
「お前、言うことだけはいっちょ前だよな」
「自分の意見言わないのは良くないことでしょ? 周りに流されちゃダメだって……」
「パパが言ってた?」
言葉の途中でユーリの声が飛んできて、すずは頷こうとして止まった。
止まって、考え込む。
そして小さく言った。
「……ううん、パパじゃない」
「じゃあ誰? 研究員? エージェント?」
「違う。研究所の人じゃない気がする。……誰だっけなぁ」
腕を組んで首を傾げて悩む姿はマンガのキャラそのものだ。
ユーリはふっと笑って、それから彼女に風呂に入って来るよう勧めた。
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