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「本当なのか? まぁ調べてやるが……。拳銃を所持して良いのはライラックのエージェント達だけだ」
「ええ。こんなところにエージェントが来るとは思えないけど……」
男性の言葉に答えたのは、先程のエージェント達とは違う制服を来た男女だった。
「やべぇな、警察だ。……おい、ガキ。今あの警察んとこ行けば保護してもらえるぜ?」
「ガキじゃないし。鈴蘭だし」
「んじゃ鈴蘭……呼びにくいな。どうする?」
青年の言葉に少女・鈴蘭は顔を上げ、こちらを見ている青年を見上げた。
「警察はヤだ。警察も、研究所と繋がってるし」
「よく知ってますこと。じゃあどうすんだ? このまま逃げたら、指名手配犯扱いだぜ?」
「それでも良い。研究所はイヤ」
あっそ、と青年は言って、警察達に背を向けた。
そして袂からキセルを取り出し、ライターで火をつけて口にくわえ、歩き出す。
鈴蘭は困惑した表情を浮かべ、青年と警察とに視線を交互に送り、駆け足で青年の後を追った。
そして彼の着物の裾を掴む。
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