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突然聞こえて来た店の人間の声にすずはキョトンとする。
優しそうなその屋台のおじさんはニコニコして自分を見上げている。
「オッサン、林檎飴一つ」
「あいよ」
ユーリが言うと、おじさんは慣れた手つきで飴を用意する。
その間、ユーリはすずに言って銭入れを取り出させた。
「はい、どうぞ。お嬢ちゃん」
「あれ? 二本?」
「一本はおまけだ。お兄ちゃんと食べな」
そう言っておじさんは袋にリンゴ飴を二本入れてすずに渡してくれた。
「サンキュー、オッサン」
「ありがとう! 大事に食べるね!」
すずが銭を渡すと、おじさんはとても良い笑顔で頷いてくれた。
それから二人は金魚の屋台を探し、それもすぐに見つける。
手の平サイズの袋の中に本物の水ではない水色の液体が入っており、その中を真っ赤な小さい魚が泳いでいる。
すずはそれを一個買ってもらい、上機嫌になる。
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