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「……ねぇ、ユーリ。ほんとに大丈夫? スッゴく具合悪そうだったけど……」
「さぁな。そろそろ死ぬんじゃねぇ?」
「え? またそんなこと言う! 不吉なこと言うと、それ、ほんとになっちゃうんだよ?」
不安そうな顔で、怒鳴るように言ったすずにユーリは笑いながら謝る。
「冗談だよ。気にすんな。もう治ったから」
「…………」
すずは信用していないような顔でしばらくユーリを見つめていたが、一息ついてぷいっと顔を背けた。
そして、まだ食べかけのリンゴ飴に手を伸ばす。
「なんだ、お前。まだ林檎飴食って無かったのか?」
「うん。美味しいけど、なんか食べ辛くて……。でもこんなにリンゴ出てきたよ」
すずは言いながら、リンゴ飴の剥き出しになっているリンゴの部分を見せる。
小さい歯型がたくさん残っている。
だがその肝心なリンゴは、既に茶色く変色していた。
「……真っ茶色じゃねぇか」
「うん。置いといたら変な色になっちゃった。でもちゃんとリンゴの味するよ?」
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