蝶は花を求めて

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言って、すずは林檎飴をかじった。 良い音は耳に届かない。 「ん、美味しい」 「全く旨そうに見えねぇけど」 「良いの! 食べてるのはすずなんだし!」 ユーリの言葉にすずは腕を振り上げながら言い、それを見たユーリは苦笑した。 すずはその後、茶色くなったリンゴを見つめて、しばらくしてから再びユーリに目を向けた。 「ねぇ、ユーリ。なんでリンゴ、茶色くなっちゃったの?」 「あ? ……ああ、酸化したからだよ」 「さんか?」 すずは首を傾げ、頭の中でリンゴが 茶色くなる会 に参加しているのを想像する。 そして、すぐにその図を消した。 「さんかってなに?」 「錆びるってこと。お前、錆も知らねぇか? とにかく、物ってのは置いとくと空気中の酸素とくっついちまうんだよ。そうなると、いろいろ変化すんだよ」 「ふぅん、酸素と……。よくわかんないけど、わかった!」 すずの答えにユーリは呆れてため息をつく。
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