蝶は花を求めて

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鈴蘭は嬉しそうにしながら、抹茶パフェを一口掬って口に入れた。 「……ん、苦いけど美味しい! お外ってこんなに美味しいものがあるんだね!」 「それはよかったな」 棒読みにそう言ってクロユリはパフェを引き戻し、食べる。 鈴蘭も再びイチゴパフェを食べ出し、あっという間に完食してしまった。 「あ~、美味しかったぁ。ありがとう、ユーリ」 「はいはい、よかったな……」 言いながらクロユリは鏡を取り出して、それとちり紙を鈴蘭に渡した。 鏡に映った自分の顔を見て彼女は恥ずかしそうに体を小さくして、ちり紙で顔を拭いた。 鏡を返しながら、鈴蘭は言う。 「ユーリってお洒落さんなんだね。鏡とか櫛とか持ってるし」 「最低限の身嗜みだよ」 クロユリはそう言うと鏡に自分の顔を写して、前髪を整えた。 そして鈴蘭に立つように言いながら銭を取り出して自分も席を立つ。 勘定をして、店を出た。 「やっぱ自然のもんは高ぇな……」 財布の中を見ながら、クロユリは呟く。 「自然のもの?」
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