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オレの言葉を聞けば、何が嬉しいのかニコニコして。
オレは明かりを消して、同じ布団に入る。
『……やっぱりお兄ちゃんの傍が一番落ち着く。最近、なんか怖くて』
『怖い?』
『うん。何が怖いのかわからないけど、お兄ちゃんの傍に居ればきっと大丈夫。お兄ちゃんは私のこと守ってくれるよね?』
この時はなに言ってんのか全く分からなかったが、頷いたんだ。
頷いて、お前を安堵させたことに今は後悔してるよ。
『……でもお前もいつかはオレから離れなきゃいけなくなるだろ? 今のうちに練習しとけ』
『……うん』
お前は、不安からか小さく体を震わせて抱き着いて来たな。
好きな人が出来たと、顔を赤らめながら言った女がなにしてんだか。
でも、お前がずっと傍に居てくれれば、オレの未来ももう少し違う物になってたかもしれないな。
オレはそのままお前と一緒に眠りについて、またいつも通りの毎日が訪れると思っていた。
これからも、当たり前のように、同じように……。
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