8人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「すずだってないし。ユーリは旦那さんにしたいランキング最下位だし」
「ひっでぇ……オレより悪い男なんていくらでもいるっての……。少なくとも、顔だけなら一番だと思うけど?」
「確かにユーリはお洒落さんだけど……顔が良い男って、だいたい性格悪いんだよね。すず、それだけは知ってる」
そんなことを言われ、ユーリは言い返す気も失せてため息をついた。
まぁ、自分でも良い男なのは顔だけだと思っているし。
「……オレの三分の一しか生きてきてねぇ奴にそんなこと言われても、説得力ねぇけどな」
「でも実際ユーリは意地悪だし、ナルシストだし、嘘つきだし。すずのこと助けてくれたけど」
「なにを根拠に言ってんだよ。お前を助けてやった時点で、普通は高ポイントなはずなんだけど……」
ユーリはぼそぼそとそう言って、左腕を裾に通し、手を彼女の前に差し出した。
「?」
「握手しようぜ? ほら」
首を傾げるすずの手に触れながらユーリは言う。
手が重なり合って、握手する為に力を入れる。
最初のコメントを投稿しよう!