蝶は花を求めて

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「すずだってないし。ユーリは旦那さんにしたいランキング最下位だし」 「ひっでぇ……オレより悪い男なんていくらでもいるっての……。少なくとも、顔だけなら一番だと思うけど?」 「確かにユーリはお洒落さんだけど……顔が良い男って、だいたい性格悪いんだよね。すず、それだけは知ってる」 そんなことを言われ、ユーリは言い返す気も失せてため息をついた。 まぁ、自分でも良い男なのは顔だけだと思っているし。 「……オレの三分の一しか生きてきてねぇ奴にそんなこと言われても、説得力ねぇけどな」 「でも実際ユーリは意地悪だし、ナルシストだし、嘘つきだし。すずのこと助けてくれたけど」 「なにを根拠に言ってんだよ。お前を助けてやった時点で、普通は高ポイントなはずなんだけど……」 ユーリはぼそぼそとそう言って、左腕を裾に通し、手を彼女の前に差し出した。 「?」 「握手しようぜ? ほら」 首を傾げるすずの手に触れながらユーリは言う。 手が重なり合って、握手する為に力を入れる。
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