蝶は花を求めて

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イラついたユーリはため息をつき、キセルをしまいながら来た道を戻って乱暴に彼女の手を掴んだ。 「!?」 そして容赦なく大股で歩く。 「や、ちょ……ねぇ! 早い!!」 手を掴まれてしまっては抵抗出来ない。 すずはよろけながら走るように彼について行き、というか引っ張られ、ある程度行ったところで解放された。 「なにすんの!? すず、転びそうになったし!」 「お前がうじうじしてるからだろ? さっさとママ捜すんじゃねぇのかよ」 「あ……」 すずは俯き、ユーリはキセルを出そうとして、止めた。 「なんならオレがお前をライラックに連れていっても良いんだぜ? お前はパパのところに帰れて、オレは多額の懸賞金をもらう。ほら、一件落着」 「や、そんなのヤダ。そもそもそんなことしたら、ユーリも捕まるし」 「御名答。だから、オレのこと気にしなくて良いっての。ま、お前がパパんとこ帰りたきゃ勝手に帰れば良いし」 ユーリは薄く笑いながら言うと、欠伸をしながら再び歩き出した。
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