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「で、ほんとにどーすんの? どこ向かってんだ、オレら」
「わ、わかんない……。どうしよう……」
「この辺ウロウロしてても警察に見つかりそうだしな」
一つ息をついて、ユーリは空を見上げた。
真っ青な空。真っ白な雲。
眩しい太陽が暑い。
「なぁ、あのママの数字。ほんとに意味とか聞いてねぇのか?」
「うん、知らない……。パパが単に言ってただけだし……」
「数字だけじゃなかったよな。アルファベットもあった気がする」
言われてすずは頷く。
一度彼から手を放して紙を取り出した。
「これ。イーの424856って書いてある」
「へぇ、読めるんだ」
「よ、読めないよ。数字は読めるけど……。パパが言ってたの覚えてただけだし」
ぷくぅ、と頬を膨らませてすずは紙をしまった。
ユーリはすずが言った番号を口の中で何回か繰り返し、不意になにかに気付いたように指を鳴らした。
「もしかして……そのEってのは地区の番号かもな」
「ちく?」
「ああ、土地の番号。有り得無くはなさそうだが……行ってみるか?」
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