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「ユーリが教えてくれたら、教えてあげても良いよ」
「オレ? オレは百八十以上あるけど?」
「百八十!? デカッ!」
「……お前、女ならもっと上品な言葉使え」
ユーリは言って、一息ついた。
喋りながらだったためあまり気付かなかったが、結構な距離を歩いている。
「う、うるさいなぁ。だったらユーリももっと上品な言葉使いなよ」
「オレ、男」
「……。すず、百二十しかないよ。前にパパが計ってくれたの。少しは伸びてるかも」
「ちっちぇ~」
即座に言われたすずはうるさい、と言って、煙を嫌がりながらも彼の裾を掴んだ。
また裾を掴まれたユーリは顔を歪めたが、なにも言わなかった。
「そういえば、ユーリの手ってあったかかったね。冷たいと思ってた」
「心が冷たいヤツの手はあったけぇんだよ」
「そうかなぁ。すずはそう思わないけど……。それにそれって、根拠無いんだよね」
ふふん、と胸を張るようにすずは言うと、ユーリは軽く首を傾げた。
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