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苦笑いしながらユーリが言うと、すずは小さく頷いた。
その後も彼は何人もの遊女に肩を叩かれ、断るを繰り返す。
「ユーリってモテるんだねぇ」
「まあ顔は良いからな」
「自分で言っちゃうのはよくないと思うけど……」
すずは呆れながらそう言って、煙を吐いたユーリの横顔を見上げる。
前髪で隠れてしまって顔は見えないが、ここの遊女達よりも綺麗な顔立ちをしているのは事実だ。
「ねぇ、やっぱりユーリもこういうとこ好きなの?」
「あ? あ~……オレはどっちかってぇと嫌いだな。わざわざ金払ってまで女抱きてぇと思わねぇし」
「へっ??」
意味が全くわからないすずは変な声を上げてすごい角度に首を傾げた。
それを見たユーリは彼女を小バカにした表情で見下ろし、意地悪く言う。
「あ~、ガキは意味わかんねぇか」
「が、ガキじゃないし! 失礼だよ!」
「どう見たってガキだろ……」
ユーリとすずは喧嘩をしながら歩き続け、不意にユーリが足を止めた。
「? どしたの?」
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