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「ああ、それは別な。オレの最低は自然食品だから。人工食品はもちろん食わねぇし、自然以上に高価なもんには興味ねぇ、って話だよ」
「ふぅん……」
でも彼は先程、早く死にたいと言っていた。
さすがにそれを聞くのは躊躇ったが、やはりモヤモヤが残る。
よくわからない人だ。
「ここのも自然のもの?」
「ああ」
短く答えて、ユーリは蕎麦を平らげてしまった。
自然のもの。
どこにそんな表記があるんだろう、と不思議に思い、キョロキョロするすず。
「あんまり食うの遅かったら置いてくぞ」
と、突然ユーリの声が飛んできて、すずは慌てて食べるのを再開する。
そういえば、昨日のパフェもそうだが、研究所にいた頃にこんなに美味しいものを食べたことが無い気がする。
「……ん、ごちそうさま!」
つゆまで全部飲み干して、すずは両手を合わせて言った。
ユーリに目をやると、彼は自分の頬を突いていた。
「……?」
「ついてるぞ」
言われて彼女は自分の頬に触れる。
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