蝶は花を求めて

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「……ん」 部屋のカーテンを閉め忘れた。 ユーリは失敗したな、と思いながら目を開け、横になったまま部屋を見渡した。 (……何時だ?) 時計を探し、ぼんやりとした目で読む。 八時。午前八時。 十二時間以上寝ていたのは事実だが、とてつもない早起きだ。 二度寝しようか迷い、そして再び寝ようと決めた瞬間、なにか違和感に気付く。 自分の左側になにかいる。 そちらに目をやると、ゼロ距離ですずが寝ていた。 (……オレ、なにもしてねぇよな……) そんな趣味ないはずだ。 ユーリは自分を落ち着かせて、すずを隣の布団に転がそうと体を起こす。 何故かひどい動悸と目眩がする。 寝不足、または寝過ぎというわけでもなさそうだ。 オレの命もいよいよか、と思ったその時、すずの目が開いた。 あーあ、二度寝は出来ないな。 「ん……おはよう、ユーリ。あれ? すず、なんでここいるの?」 「お前が転がって来たんだろ? せっかく二度寝しようと思ってたんだけど」
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