-小さな勇気-

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あっという間に、1限目、2限目、3限目、4限目と過ぎて行った。 待ちに待った、昼食タイム。 いつもなら、お弁当を食べることが楽しみなはずだが。 今日は違う。 ――だって今日は俺が高校に入って初めて友達を遊びに誘う大切な日。 その時は、断れたらどうしようという不安などなかった。 それ以前に、《俺は、お前と遊びたいんだ! 仲良くなりたいんだ!》ということを強く、心の何処かで思っていたんだと思う。 バッグには財布も入ってるので一葉バックも一緒に持って行く。 この学校には、いじめや窃盗などない。 どっちかって言うと、頭が悪い部類の学校のはずなのに、そういう所がないのは、高校1年の頃からずっと感心している。 そういう所も含めて、この学校が大好きだ。 タカがいる5組に入った。 何故だろう、俺らのクラスに比べて、何処となく汗臭い。 それはそうだろう。 このクラス、女子が5人しかいないのだから。 いわゆる、理系クラスという奴だ。 俺のいる文系クラスに比べて少し暑い。 そんなことは今の俺にはどうでもよかった。 取り合えずタカを探した。 タカはいつも俺らが食べている席にいなかった。 多分、去年同じクラスだった和樹と学食に行ったのだろう。 (昨日は俺と行ったじゃんか…。 タカは別に誰と行ってもいいのか・・・。まぁ、普通はそうだろうな。…でも、俺のこと待ってくれたっていいじゃんか…。学食に用はないけど、一緒に行きたかったよ。) 寂しさよりも、嫉妬に近いものだった。 俺自身、こんな性格がメンドクサイと思う。 仕方ないので、俺は取り合えずいつものtwitterを開いた。
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