2人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の放課後、渚は美沙の家で募集について調べた。
「…面接・実技検査の前に書類書かなきゃなんだあ」
「だね。その書類を基にして見られるってわけかー…」
「てか、良く考えてみると審査日が3日に分かれるってことはそれくらい大きな規模なわけで、
しかも受かるのはその中のたった3人…なんだよね?」
「あー…そういう事考えちゃ駄目!!ま、期待しないでいこうよ」
「ん、そだよね」
美沙の本気のような本気でないようなその返事のせいで、渚は不安に駆られていた。
…だって、もしも私だけ落ちて美沙だけ受かってしまったら。
その時点で美沙は遠い存在になってしまう。
そう考えただけでもうやめようか、と思うくらいだった。
「…ふう、とりあえず応募しよっか」
「そ、そうだね」
その場で応募用のハガキを書き、近くの郵便ポストに投函した。
「じゃ、そろそろ私帰るね」
「うん。気を付けてね~」
「はーい」
*
その夜、美沙からメールが届いた。
【受かるといいね0(*^▽^*)0】
可愛い顔文字の横に並べられた、不安をあおる文字列。
それが、一層「美沙だけ受かってしまうのではないか」と渚を悩ませた。
メールの返事が遅いと美沙がうるさいので、思っても居ないことを打ちこんで送信した。
【そうだね(´ω`●)きっと私たちなら受かるって♪】
最初のコメントを投稿しよう!