偶像

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その日の放課後、渚は美沙の家で募集について調べた。 「…面接・実技検査の前に書類書かなきゃなんだあ」 「だね。その書類を基にして見られるってわけかー…」 「てか、良く考えてみると審査日が3日に分かれるってことはそれくらい大きな規模なわけで、 しかも受かるのはその中のたった3人…なんだよね?」 「あー…そういう事考えちゃ駄目!!ま、期待しないでいこうよ」 「ん、そだよね」 美沙の本気のような本気でないようなその返事のせいで、渚は不安に駆られていた。 …だって、もしも私だけ落ちて美沙だけ受かってしまったら。 その時点で美沙は遠い存在になってしまう。 そう考えただけでもうやめようか、と思うくらいだった。 「…ふう、とりあえず応募しよっか」 「そ、そうだね」 その場で応募用のハガキを書き、近くの郵便ポストに投函した。 「じゃ、そろそろ私帰るね」 「うん。気を付けてね~」 「はーい」 * その夜、美沙からメールが届いた。 【受かるといいね0(*^▽^*)0】 可愛い顔文字の横に並べられた、不安をあおる文字列。 それが、一層「美沙だけ受かってしまうのではないか」と渚を悩ませた。 メールの返事が遅いと美沙がうるさいので、思っても居ないことを打ちこんで送信した。 【そうだね(´ω`●)きっと私たちなら受かるって♪】
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