偶像

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ジリリリリリリ、という目覚ましのベルにたたき起こされた。 渚はいつも通りのペースで支度をし、家族のいるリビングへと移動した。 「おはよー」 「おはよう、あら今朝は具合大丈夫なの?」 心配そうな母が様子を窺がってくる。具合が悪いという事にしてあったので心配されるのは当然の事だろう。 「あ、うん、大丈夫」 「よかったわね」 簡単な言葉を交わし、黙々と朝食を食べる。昨日見ていたテレビ画面では朝のニュース番組を放送している。 『…県で昨日未明3人の男性が…』 『今日行われる予定の…』 『先月発表された…は…』 なんとなく見ていると、政治だったり事件事故だったり芸能人のスキャンダルだったり、いろんな事が日本で起きているんだなあと思う。 なんとなく だからそんなに気にかけているわけではないが。 「あ、そろそろ時間なんじゃないの?」 「うん分かってる。御馳走様でした」 いつもの時間に食べ終わった渚は身だしなみ等をすまし、学校へと出かけて行った。
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