個性豊か過ぎるのも困る話。

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「中一の~…うーん…五月くらいから睡眠薬は仕込まれてたぜ?媚薬は割と最近」 「なんでそんなに冷静なんだよ!お前狙われてんだぜ!?」 テーブルを叩いてシャウトする創をまぁまぁと良介が諌める。彼もなんだかんだと言いながら静流を心配しているのだろう。 「成る程…一人一回は被害に遭っているのかな?」 「僕はいつもクラスの奴に毒見させているからまだ平気だ」 「えー!?要なんて二回は実験台にされたよ…?」 実験台という言葉を聞いて突っ伏していた一心はビクリと震えて頭を抱えた。 「うん、早乙女に関しては自業自得だよね」 少し毒を吐きながらよしよし、と一心の頭を撫でる。 「元希が止めれば良かったじゃねぇか」 静流の鋭い指摘にずーん、と云う重い空気を背負って元希は机に沈む。 ふん、と鼻を鳴らして毒舌副部長はイヤホンを外してウォークマンに巻いてポケットに突っ込んだ。 「トイレ行ってくる」 そう言って彼は部室を出て行った。
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