個性豊か過ぎるのも困る話。

2/22
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
―帝国大附属中。 殆どの部活が関東、全国クラスで学業にも力を入れている歴史ある名門校である。 受験者は年を追うごとに増えていて倍率は年々増えていて、共学でありながら広大な敷地を男子部と女子部に分けている。 互いの敷地を自由に行き来はできず、学業や部活への専念を徹底させている。 ―強豪校ともなれば部活の練習は辛く厳しいものだ。 数ある部活の中でも20年連続関東大会優勝、全国大会4連覇という華々しい成績の男子卓球部も例に漏れない。 「…静流(しずる)くん、そろそろ戻ろう?創(はじめ)くんに怒られちゃうよ…」 気弱そうな少年―花館要(はなだてかなめ)は部室のベンチに寝転ぶ涼風静流(すずかぜしずる)に声を掛けた。 静流は「BL」と書かれた冊子を眺めたまま体を起こすどころか無視を決め込んでいる。 一応、この物語の主人公である。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!