個性豊か過ぎるのも困る話。

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「ダーリーン!!」 体育館の扉が勢いよく開き二軍のジャージを着込んだ女と言っても通じるくらいの可愛らしい顔立ちをした男子が入って来た。 練習をしていた部員の大半がそちらを驚いてみたものの、皆すぐに視線を戻した。 関わるとロクなことがないと判断したのである。 「げっ、朝輝(あさひ)だ…良介隠れよう!」 「月見里(やまなし)今日は来れないって言ってたのに…そうだね、逃げ切れる自身はないけど逃げようっ」 ゲーム練習をしていた静流と良介は自称一軍マネージャーの月見里朝輝(やまなしあさひ)を見るなり逃げ出した。 要と創も咄嗟に台の陰に隠れた。 「あ、ほづみん!ダーリンどこ?」 「月見里…静流に何か用?」 朝輝の言う「ダーリン」とは静流のことである。 勿論公認の呼び方ではない。 現に本人は嫌がっている。
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