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「俺達、終わりにしよう」
「――え?」
それは、突然だった。
早朝に五年前から付き合っている彼氏が家に訪ねてきて、何を言い出すのかと思えばこの有り様。
あまりの突然さに、何も感じることが出来ない。
ただ…頭の中には“別れる”という真実だけがグルグルと渦巻いていて。
それに加え、昨日の夜から降っている雨に打たれたのか彼は全身ビッショリで。
そんなに私と別れたかったのか、と考えざるを得ない。
そうして私が返事をするのも待たないまま、彼は来た時と同じように傘もささずどこかへと消えてしまった。
一人残された私は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
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