やまめとにじますとうぐい

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にじますは残念だった。 途中ではぐれてしまったけど彼がいたおかげで自分は頑張ってここまで来れたのだ。また会う時にはもう一度、二人で上へと行く喜びを分かち合いたかった。仲間だった。 しかし元気そうなやまめの子を見ているうちにだんだんと寂しさはなくなった。 ねえ、にじます君。 なんだい? やまめ君。 下には何があるの? 下かい? にじますはここまで来るまでに成長した大きな身体をくねらせ、考えた。 ……そうだなあ、物知りなうぐい君がいるかな。 うぐい君! お父さんが言ってた。すごく物知りなんだって。うぐい君がいなければここには来なかっただろう、て。 そうか。じゃあ、下に行ってうぐい君に会ってみるかい? うん! にじますはここに来るまでにたくさんの道を泳いできた。そして身体が大きくなっていた。浅いところでは住みづらかった。 ちょうどいい。 下に行こう。 やまめ君と一緒に。 にじますとやまめは仲良く並んで二人親子のようにうぐいの待つ下へと向かって行った……。
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