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そんな中、村の中央では小型飛行機から出てきた白ずくめの男たちに占拠されていた。
「今、ターゲットはどこにいる?」
リーダーらしき男が横の部下に訊く。
「はい、少々お待ちを。」
そう言うと特殊な羅針盤を取り出し魔力を込め始めた。
すると針は勢いよく廻り出し、ついにはボンっと弾けて壊れてしまった。
「ほう。これはかなり大物みたいだな。」
ニヤリ、と口角を上げ喜ぶ男。
「そうですね、しかし、シキ様、魔探知機が壊れては探しようがないのでは?」
「そうだな。おいセミロフ、何人か部下を連れて、この村の長を探してここに連れてこい。」
「はっ!よし、いくぞ!」
セミロフと呼ばれた男はフードを取ると部下を見繕い颯爽と駆け出して行った。
「さて、長が来るまでそこらの村民からも情報を戴くとするか。」
ぐるりと辺りを見渡しながら家の中からこそこそとこちらを伺っている村民を数えながら言う。
「シキ様、とりあえず何人か殺しときますか?」
バチバチと指から電気を遊ばせながら笑う。
殺す、という行為に何ら抵抗が無いその姿はそれだけで畏怖の対象となるだろう。
「…そうだな、しかしセイス、子供はやめておけよ?」
「分かってますよ、間違ってターゲットを殺してしまっては元も子もないですからね。」
「さて、今回は…気を引き締めないと、な。」
大物…それが意味するものは大いなる危険。
しかし、それがこの部隊の使命。
命を懸けて職務を全うする。
障害となりうるものすべてを屠る。
障害となりうるものすべてを壊す。
障害となりうるものすべてを殺す。
障害となりうるものすべてをーーー。
それが人道からかけ離れているとしても。
それが使命ならば何でもやる。
それがある組織に所属する部隊、『ホワイト・クロー』
その仕事振りから『世界最悪の殺戮部隊』と呼ばれ他の追随を許さない残虐性を持っている。
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