1. 怪盗ファントム
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「…………」 少し空気が冷たくなってきた夏の終わり。微かな風が吹き、豊かな緑の葉がさわさわと揺れる。 その緑に姿を隠しながら、遥は大木の枝の上に立っていた。すぐ下で繰り広げられている双子の妹と恋人の一部始終を、無表情でじっと見つめている。妹と同じ漆黒の瞳を細めながら--。
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