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「んー……眠くなってきた……」
予想どおりだった。
遅めの夕食を終えてから部屋に戻ると、美咲は目をトロンとさせ、吸い寄せられるようにベッドに倒れ込もうとする。しかし、大地は背後から抱き止めて、シーツに触れる寸前でそれを阻んだ。
「まだ寝ちゃダメだよ」
「どうして?」
「お楽しみがあるって言ったの忘れた?」
眠くて不機嫌になっている美咲は、口をとがらせて非難するように大地を睨んだ。今の彼女にとって、眠らせてくれない相手は誰であろうと敵である。しかし、大地はそんなことなどお構いなしに、「おいで」と言って彼女の手を引くと、半ば無理やり部屋の外へと連れ出した。
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