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白い便箋にはそう書かれていた。まだ状況を把握できず唖然とする。
その時、台所から皿が割れる音が部屋にまで響く。そちらに目をやると母さんが顔を真っ青にして立っていた。
「颯呀、あんた今なんて言った…?」
……波乱の幕開けだ。
「入学の資格を抹消ってなによ!?あんた何やらかしたの!?正直に言いなさい!!」
「落ち着けって。まだ俺だって何が何だかわかんないんだから…。」
「誤魔化そうったってそうはいかないわよ。あんたが嘘ついてることなんて母さんには一目瞭然なんだから!!」
目が疲れているのだろうか。母さんの後ろに阿修羅が見える。
久しぶりにこんなに怒ってる母さんを見たな。
「だから何もやってないって……ん?これは?」
「はぁはぁ、それもあんた宛の手紙よ。」
「ふ、ふーん。」
なんで母さんは息切れしてるんだ?どれだけ頭の中は沸騰してんだか。
……恐らくマグマ並みだろう。
心中母さんに怯えながらもうひとつの手紙に目を向けた。
「……蒼斗アビリティ学園?」
再び封筒を丁寧に破り、中身を取り出す。
「白神颯呀様
この度は本校への入学資格獲得、誠におめでとうございます。貴方様の生徒手帳も同封致しましたので、ご確認下さい。ご入学の準備に関しましては下記の通りです。」
手紙の下の方には準備するものやら入学式の日程やらがびっしりと書かれていた。
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