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「なぁ、ハル。お前は今でも俺を必要としてくれるているか?」
「っ、そんな、っの、そんなのっ……当たり前だよ」
当たり前だよ春舞。
僕はずっと待ってた。
春舞が帰ってくるのをずっと待ってたよ。
「そっか……」
コツンと額と額が合わさって、視線が交錯する。
「悠斗、大好きだよ」
「ふ、ぅんっ」
唇に当たる温もりは6年越しの懐かしい温もりで……僕たちの止まっていた6年が溶けていく。
そっと、離れていく熱。
「ねぇ、春舞」
「ん?」
「春舞は6年間どんな風に過ごしてきたの?」
電話もメールもしていたけど、ちゃんと春舞の顔をみて、春舞の口からききたい。
そうしたら、ぽっかり空いてしまった6年の空白は少しずつ埋めていける気がした。
「ハルは?どんな風に過ごしてきたんだ?」
お互いに、くすくす笑って、ベッドの中でお互いに離れていた6年間の思い出話をした。
そうして、6年間離れていたぶんだけ、お互いの想いを確かめあった。
春舞、大好きだよ。
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