42人が本棚に入れています
本棚に追加
空港に着いたのが飛行機到着時間の2時間前。
早く、早く会いたくて、ゲートの前で、まだかまだかとそわそわ。
きっと、春舞はとっても格好良くなって帰ってくるっ!
海外へいった幼馴染が別人のように格好良くなって帰ってきた。って、よくある漫画のように。
絶対に格好良くなってる。
空港内に、到着をつげるアナウンスが流れ、しばらくすると沢山の人が降りてきた。
その中から春舞を探す。
きっと、春舞も僕をさがしてくれているっ!
まだか、まだか……あ、れ?
……春舞が、いない。
人はどんどん降りてくるのに、春舞の姿が見当たらない。
ーー きっと、一番最後に降りてくるんだろう。そうに違いない。だって、僕のもとに絶対戻るって約束してくれたんだから!
ぎゅっと、拳をにぎりしめて、ただ待つ。
待って
待って
待って
春舞は……いなかった。
何故?なんで?約束したのに……
6年待ったんだ。
この日が来るのをずっと、待っていたのに……
自然と涙が溢れてくる。
なぜ?どうして?と、何度繰り返しても、春舞はここにはいなくて……悲しみの中にやり場のない怒りがでてくる。
うずくまりながら泣く僕の頭に、暖かいものが触れた。
最初のコメントを投稿しよう!