七波遥斗の場合

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空港に着いたのが飛行機到着時間の2時間前。 早く、早く会いたくて、ゲートの前で、まだかまだかとそわそわ。 きっと、春舞はとっても格好良くなって帰ってくるっ! 海外へいった幼馴染が別人のように格好良くなって帰ってきた。って、よくある漫画のように。 絶対に格好良くなってる。 空港内に、到着をつげるアナウンスが流れ、しばらくすると沢山の人が降りてきた。 その中から春舞を探す。 きっと、春舞も僕をさがしてくれているっ! まだか、まだか……あ、れ? ……春舞が、いない。 人はどんどん降りてくるのに、春舞の姿が見当たらない。 ーー きっと、一番最後に降りてくるんだろう。そうに違いない。だって、僕のもとに絶対戻るって約束してくれたんだから! ぎゅっと、拳をにぎりしめて、ただ待つ。 待って 待って 待って 春舞は……いなかった。 何故?なんで?約束したのに…… 6年待ったんだ。 この日が来るのをずっと、待っていたのに…… 自然と涙が溢れてくる。 なぜ?どうして?と、何度繰り返しても、春舞はここにはいなくて……悲しみの中にやり場のない怒りがでてくる。 うずくまりながら泣く僕の頭に、暖かいものが触れた。
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