~序章~取り立てて特筆する事などない自分

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毎日を特に意識せず、大事にもせず、当たり前のように来るその毎日を、平穏に、でもちょっとだけ退屈に過ごす日々。 オレには、取り立てて夢中になれる物はない。周りと何ら変わらない、どこにでもいる普通の高校生の時間が流れるだけ。 それじゃあ少し物足りない。一生懸命になれるような、何か強烈な刺激や張り合いが……いや、強烈過ぎるのはちょっとな。ちょうどいい塩梅の刺激とかそういうの。 とにかく、オレの心の片隅に、気付けばそんな気持ちが燻ってたんだ。 でもだ。こんな思春期によくありがちな事を言っておきながら、自分から行動してまでこの平凡で当たり前な毎日を変えたいという強い欲求があるわけでもない。 だから、今日も反復作業のように、朝早起きをして、着馴れた制服に袖を通し家を出る。
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