1.最後の約束

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「…。」 振り返ると大声で叫んでいるスーツのイケメン。 なにあれ。 ふと笑みが漏れた紗那も負けずに大声で叫ぶ。 「絹の"紗"に、刹那の"那"!」 「いい名前だね!」 「ありがとう!」 紗那はそう叫ぶと、またアパートに向かって足を向けた。 「紗那。」 背中に優しい声が降った。 ゆっくりと、もう一度振り返る。 「おやすみ。」 タロウはふわりと笑って手を降った。 「おやすみなさい。」 紗那もゆっくりと片手を上げた。 はじめてあの人の話をした他人だった。 ヘンな男。
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