2.幸せとの矛盾

5/7
前へ
/131ページ
次へ
「飲みたきゃ飲めよ。俺のことは気にするな。」 「じゃあ…。一杯だけ♪」 真中の言葉に甘えて、紗那はカクテルを注文した。 もともとアルコールは強くないがカクテルなら少しはいける。 テーブルを美味しい料理が彩りはじめた頃、紗那はほんのり頬を桃色に染めていた。 なんとなくフワリと向けた窓の外に月を見つける。 「ねえ。あっちゃん。私この間、ヘンな男に会ったんだよ。」 あの夜を思い出した。 「変な男?」 真中は紗那の言葉に険しい表情を浮かべた。 「あ、違うよ、ナンパとかじゃないよ、本人も言ってたし。」 「なんだそれ。詳しく話せ。」 紗那はあの夜の出来事を話した。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加