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杉浦紗那(スギウラサナ)は冬の冷たい風に少し身震いすると、コートのポケットからシルバーのリングを取り出した。
少しだけ眺めてから、歩き出す。
会社から自宅アパートまで、徒歩20分の道のり間に一軒だけあるコンビニで立ち止まる。
ゴミ箱の前で少し悩んだ。
これって燃えるゴミ?
火で溶けるんだろうけど…ある意味リサイクルゴミなの?
くだらない事に悩んだ自分が可笑しくてフッと笑みがこぼれる。
どっちでもいいや。
紗那は燃える方に分類されるゴミ箱の上にリングを置く。
カンッ、と小さく音がした。
そのままコンビニで温かいコーヒーを買い、コートのポケットに手ごと突っ込み、アパートに向かって歩き出した。
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