メール

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ディスプレイには綾部拓司。 「やべ、折り返すの忘れてた。」 画面にある電話マークを右にフリックして携帯を耳にあてた。 「晴、メールみたのか?」 「わりっ、メール見終わったと同時にみんながチャットしだしてよ。つい。」 電話越しから聴こえる低くなった拓司の声に慌てて言い訳する。 拓司はマイペースな俺とは逆に何事にも計画をたてスムーズにいかないとダメな奴だから俺が折り返さなかったから多少不機嫌なのだろう。 「それはいいとして、みんなメールはいたずらと思ってるみたいだな。まぁ、それもそうだよな!こんな意味不明なメール誰も信じないよな! 」 すぐに元の声色に戻った拓司は笑いながらチャットの内容について話していた。 「そうだよな!ったく変ないたずらしやがって。っと、もう2時じゃねーか!明日早いんだからみんなもう寝ねーとな。」 「あーそうだな。よし、キャプテン。みんなの雑談を終了させてくれよ。」 俺たちもしばらく電話をしていて気づいたら遅い時間になっていた。 「任せろよ!じゃあ、また明日!遅刻すんなよ?」 晴じゃないんだから寝坊しねーよ! と冗談を交わし電話を切った。 チロリン チロリン チロリン 「うわ、あいつらこの短時間でどんだけ書き込みしてんだよ!」 電話を切ったら止まっていた時間が追い付くように通知音が鳴り響いた。 ―――――― 晴:おまえら明日早いんだぞ!明日会えんだからその時にしろよ(笑)ちなみに明日遅れた奴は全員の荷物持ちな! んじゃ、おやすみ! ―――――― カチカチと雑談を終わらせるべく書き込みをし、寝ようとしたらまた通知音の嵐で じゃあ荷物持ちは晴じゃん! 晴だけには時間のこと言われたくねーな(笑) 等、ブーイングの嵐だった。 こんなんでよくバスケ部キャプテンが務まったな俺。 と、我ながら思い携帯を枕元に置いてねむりについた。
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