悪魔召喚

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「民間人の避難は6割が完了しました」 「わかった、そのまま続けてくれ」 兵士の報告に真紅の鎧を身に着けた金髪の少女、ステラが応じる。 兵士はステラの指示に従うために一礼して持ち場に戻っていった。 兵士が部屋を出て遠ざかっていったのを確かめたあと、ステラは短く溜め息をつく。 ふと、見上げた天井には一枚の絵が描かれている。 6枚羽の黒い悪魔。 ウラキの王族が召喚できる最強の悪魔。 「父上、兄上……」 ステラは目を閉じてそう呟いたあと、決意して部屋の中央に向かって歩き始めた。 「私が必ずこの国を救う」 その言葉と共に召喚式が起動した。
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