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「不幸中の幸い……って言うんだろうけど……」
ユウタは呟き目の前を見る。
殺気を放つ屈強な男たち……
狼の群の中に思い切り投擲されたウサギが偶然怪我一つ負うことがなかった……ただそれだけの……最悪の中の良かった事にしかすぎない。
急いで周りをみるが逃げ道はなかった。
“死にたくない”
そう強く思った時だった。剣が足元に転がっていることに気がついた。
「ウオォォォ!!」
その事に気づいた敵兵士が一人ユウタに向けて突っ込んできた。
ユウタはそれに慌てて急いで剣を握る。
ー読込開始ー
種別……刀剣
素材……鉄製
用途……切断
最下級一般兵卒用の剣
ー読込終了ー
突然そんな情報が頭の中に流れて来た。
しがし、それを疑問に思っている時間はなかった。
なんせ既に一人、ユウタに向かって切りかかってきているのだから。
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