1人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうですか?」
ユリアが振り返らずに聞いてきた。
「うん、ピッタリだ。ありがとう」
ユウタはそう言って着ている服の具合を見る。
「良かったです」
ユウタの返事を聞いて安心したようにユウタの方を振り返った。
ー30分前ー
「お、ここ服屋なんじゃないか?」
城下町は荒らされていた。
人も誰一人居らず、捨てられた町となっていた。
ユウタはその状況をラッキーだと思っていた。
城下町なら服はあるだろうし、人がいないなら貰っていってもかまうまいと……
そうして見つけた服屋で物色中に背後で物音がした。
振り返るとそこには同い年くらいの栗色でセミロングの髪の女の子がいた。
「きゃぁぁぁぁぁ!?」
当然悲鳴をあげられてしまった。
「ち、違うんだ。決して怪しいものではないんだ」
「服……見えて……着る!??」
ユウタの弁明に少女は顔を真っ赤にして何かを伝えようとしていた。
彼女の気持ちがユウタに伝わるのはこれから20分後のことだった。
最初のコメントを投稿しよう!