第10話

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そして玲菜との約束通り、翌日の昼休みに要のお母さんに電話をした。お母さんの「分かったわ。連絡してくれてありがとう」と言った声は少し低めだった。 でも切り際に「何にも心配はいらないわよ」と言ってくれた言葉に、私のざわついていた心は少し落ち着いた。 落ち着かないのはこれでまた、要との事だけだ。 だからと言って要と話し合う勇気も湧いてこない。一体どうしたらいいんだろう。 このまま、別れようって言われる日をビクビクしながら待ってるだけなのかな。 それでも…いい。1日でも要の彼女でいたいもの。 彼女……要の隣にはこれから千華さんが座るのかな。 千華さんと、要は未来を築いていくのかな。 何でだろう いつからだったんだろう 何で…私は要の気持ちを繋ぎ止めておけなかったんだろう そんな答えの出ない思いを抱えたまま、私は何日も何日も過ごした。
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