第9話

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少しドアを開けた時、目の前に座っているのが要だと気付いた。 要は私が立っているドアに背を向けている座っている為、私には気付かない。 要……そう声をかけようとした時、要の声が聞こえた。 「千華…本当に悪かった…」 千華ーーー? 要の隣に座っている人を見る。この人も背中を向けて座っていた為私に気付かない。そして、私も気付かなかった…その人が千華さんだという事に。 「……ううん。私も…私が悪いから」 なに…?要も、千華さんもいつもの様な距離感や雰囲気じゃない。要の声のトーンも普段より低くて上手く聞き取れない。 「……俺が悪い。千華も怒ってるから、俺を避けてるんだろ?」 「違うよ!」 千華はさんバッと要の方を体ごと向いたけど、すぐに前を向き直し俯いた。
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