人の名前が思い出せない時は「とりあえずアレ」ですませる

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聖蘭学園ー…。 それは、幼小中高大一貫の有名私立学園である。 通うのは、お金持ちや芸能人などのお坊ちゃんがほとんどで、稀に一般人も通っていたりする。 ちなみに学生は男子のみである。 そんな、学園の高等部に稀に含まれる平凡な一般人がここにもいた。 しかし、この平凡。 ただの平凡っと思ったら大間違いである。 「うっめええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「うっせええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 そう、バカでアホなのである。 ちなみに、後者はそんなバカでアホな平凡一般人の幼なじみである。 「うっせーんだよてめぇは!! 静かに食いやがれ甘党野郎!!!!!」 ドゴッと頭をグーでバカを殴るこの人物。 このバカでアホな平凡一般人『市村愛斗』の幼なじみ『浅賀ゆま』である。 「~っ! ちょ、痛いんですけどおおおおおぉぉぉ!?あっ、黙るからケーキにソースかけないでええぇぇぇぇ!!」 うるさいと言っているのに、また大声でしゃべる愛斗にゆまは、愛斗の食べかけのケーキにおいてあったソースをどばどばとかける。 「ゆまのドSうぅぅぅぅぅぅぅ!!」 そう言う愛斗にピタッと動きを止めるゆま。 それに「げっ…!」とヒクッと顔をひきつる愛斗。 「あー…ちょっとオレ、用事思い出しちゃったわぁ。いや~ねっ!ゆまと一緒にまだ食べてたいけど、用事あるんじゃしょーがないよなぁ、じゃ、そゆことガシッ!!でー…」と、その場を立ち去ろうとする愛斗の腕を、ゆまの手が力強くつかんだ。 「へぇ、そうかそうか。 愛ちゃんはオレのことそーんなに好きなんだなあ。奇遇だなぁ、オレもお前がだぁい好きなんだよ、あ"っ?ここでお前の全部グチャグチャにしてやろうか?」 「す"みませんンンンンン!!!!! ちょづいてましたあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「うるせぇっ言ってんだろうが、まずその口から縫ってやろうか。」 ニヤニヤ言うゆま。 完全にこの状況を楽しんでいる。 そう、『浅賀ゆま』はドS魔王である。 .
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