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声がしたそこには、先程数学の教師に理科の質問をした名前も知らぬ奴が立っていた。
「誰だ貴様」
「俺は西東和志って言うんだがそんなことはどうでもいい。お前ならこれがわかるんじゃないか?」
そう言って渡してきた紙には不規則な数字の羅列が書かれていた。いや、一見不規則に見えるが、数字が連続していたり、時折記号のようなものも見える。
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500033.42900777774444477779997777755555 596.
☆0032.33.333333222222551111137777888..3 33399996.77446 66929999000
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「ふむ、なかなか面白そうだな。少し時間をもらおうか」
「分かった。今日の放課後までに頼む」
自分の席に戻る和志を見ることなく俺は謎の羅列と向かい合った。いつ以来だろうか、こんなにわくわくしたのは。
それから時間はすすみ、放課後になった。結果的に言えば、俺はこの数字の羅列の謎を解くことが出来なかった。だから、また挑戦する。いつかあいつを見返してやる。そう思った。
「すまない。俺にはこの数字の謎はわからなかった」
「そうか、どうだった?」
この男は何を言っているのか。たった今、わからなかったと言ったはずだが。
「聞こえなかったならもう一度言おう。分からなかった」
「そうじゃない」
「楽しかったか?」
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