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「物には用途があります。えんぴつは字を書く。消しゴムはそれを消す。目覚まし時計は人を起こす。しかしながら、物には終わりが来ます。えんぴつは削れば減る。消しゴムは消せば減る。目覚まし時計は叩けば壊れる。つまり、世の中に意味がない物は存在しないのです」
「それで?」
「目覚まし時計壊れて遅刻しましたごめんなさいでした!」
俺の名前は八代木賢人(やしろぎけんと)。ん? 前ではぁはぁ言いながら言い訳してる変態じゃないから安心してくれ。
「そうか、なら廊下に立ってるか?」
「お言葉ですが先生、それは体罰の部類に入るかと思われます」
そして前ではぁはぁ言ってる変態は西東和志(さいとうかずし)。残念なことに、俺の友達なんだ。顔は中の上、勉強も学年首位をキープしている天才だ。ただ欠点がひとつ。
「そうだな、体罰問題になるのは俺としてはいただけない。グラウンド五周で許してやろう。あくまで自主的にな」
「先生、僕は家から全力で走ってきたんです。そんな僕にまだ走れと言うんですか?」
「校門から道路を挟んだ向かいに住んでるお前が疲れてるなんて、誰も思わんだろ?」
「盲点だった!」
わかりにくいかもしれないが、奴は極度の運動音痴だ。本当に運動神経繋がってんのか? と疑いたくなるぐらい。
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