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ーーーーーーーーーーー三年前ーーーーーーーーーーーー
「賢人、サッカーしないか?」
「サッカー? やめておけ。俺が入るとワンサイドゲームになっちまう。それに俺の右腕がいつ暴走するかわからんからな」
「賢人、お前が球技苦手なのみんな知ってるから大丈夫だって、ほらいくぞ!」
「フッ、そこまで頼まれて無下にするのも酷というもの。よかろう。俺がグラウンドを戦場に変えてやる」
今思い出すと、とてつもない黒歴史だが、俺が和志と友達になったのもこの時期だった。そう、あれはテストまであと三日の月曜日――
「じゃあテスト範囲はここまでなので頑張ってくださいね」
「先生! 理科で点数をとるにはどうすればいいですか!」
「それは理科の先生に聞いてくださいね。私の担当は数学ですから。これで授業を終わりますが、チャイムがなるまで教室から出たら行けませんよ?」
先生が出ていった後、質問をした生徒は机に突っ伏した。理科など勉強の必要がないだろうに何を困っているのか。
「賢人、数学で分からない所があるんだけど教えてくれないか?」
「私は社会なんだけど……」
「俺は国語を」
授業が終わったとたんに俺の机に群がる一年から同のクラス友人以上親友未満の奴ら。
俺が頭がいいことを知っているから群がるのだが、他のやつらは何事かと物珍しい目を向けている。
「いいだろう。数学から順に答えてやろうぞ」
「ありがとう。ここなんだけど……」
そこから順に答えていき、国語を答え終えた時だった。
「ここを教えてくれないか?」
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