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食堂で周りを絶句させた以降、アムにちょっかいをかけようとする輩は激減し…世は事もなく、時は平穏に過ぎ去ろうとしていた。
…あ?そういえば、次の日…たまたまアムを摘まみ上げて廊下に出ていたシルバーに可愛い男の子が、ピカピカの革靴を片方持って来た。
「ぁ、ぁ、あのぉ…これぇ昨日食堂で拾ったんですが…。」
真っ赤になって震える可愛い…
「…産まれたての仔鹿や…かわええ…」
「あ゛?」
シルバーは靴を渡された瞬間、それをアムの後頭部へパコーンと投げつけた。
「ああ!?昨日俺の頭直撃したのって、コレ?」
「磨いてシューズロッカーにしまっとけ…。」
「ぇ、なぜに日本語?なぜに俺様命令口調?いややわぁ」
片方だけの靴を指で摘まんで苦笑いのアムを押しのけるように、仔鹿な男の子がふたりの間に入った。
「ぁ…ぼ、僕アナタのファンなんです。握手していただけますか?」
「ホレ、可愛い仔鹿がこんなん言うとりますけどぉ~」
「あ゛?どチビ…いつから関西人になった…?」
仔鹿ちゃんはガン無視で、アホか!と持っている靴で後頭部を…パコーンと…。
「俺の前で悪ふざけとはいい度胸だな…」
「…だって、関西風が好きだったっていうから…。」
「あのぉ…」
「あ゛?俺は味は薄い方がいいと言っただけだ。」
「あのぉ…」
無視するのは可哀想だよ。
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