†7.

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「あのおぉぉぉ!」 「あ?ホラ、シルバー…仔鹿ちゃんが…」 「あ゛?」 「ぁ…で、できればシルバー様の親衛隊を…」 「却下だ。そんな愚にもつかんもん…作ったらただじゃ済まんぞ……。」 静かな怒りの籠もった冷たい瞳で仔鹿ちゃんを睨めば、仔鹿ちゃんは小さく「ヒィ」と喉の奥から声を洩らした。 恐怖に引きつった涙目で、立ち去ろうとする仔鹿ちゃんの服の裾をアムが引いた。 「待ってよ、親衛隊ってこの人大好きって子の集まりなんでしょ? 良いじゃない…これでシルバーも、少しは人間らしく……?……アレ?」 シルバーの氷の視線がアムへと移る。 「…友達でも作ったら、少しは丸く……?……アレ?」 「…丸いのは、てめぇの目玉とそのザクロ頭のてっぺんだけで充分だ…(パコーン)。 …いいか、親衛隊なんぞと…妙なもん作ってみろ、ひとりひとり調べ上げて家ごと潰してやるから…肝に銘じとけ!」 「俺はザクロ頭じゃ!!……………否定できないのが、悔しい……。」 仔鹿ちゃんは顔面蒼白で、その場を走り去った。 「…まったく、このどチビは…何を言い出すかと思えば、おちおち追い出すこともできねえのか…。」 パコーンと最後の一発をアムに食らわせると…襟首を摘まみ上げて、またズルズルと部屋の中に戻って行った。
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