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「ええと…何でこうなったかって聞かないでね。俺もぜんぜん身に覚えがないんだから。
…んでもって…」
アムは細い指先でタマちゃんの額の間をさすった。
「…ここにシワが寄ると、きれいな笑顔が作れなくなるよ…。」
探るように覗いてから徐に、タマちゃんの口の両端に指を突っ込んだ。
「おいーっ、アムー!何しでかしてくれてんのー!」
「「ふ、副会長様にな、なんてことをー!」」
「ホレホレ、気にしない気にしない。笑って笑って♪
試合始まるんでしょ?
タマちゃん先輩んとこになんか、ぜーったい負けないもんね!」
力瘤を作って見せるアムの頭の上に、白い物がふわりと乗った。
「ん?」
「…Tシャツ、サイズ合ってる方がいいでしょ?やるから、そっちに着替えて。」
カッコ良く決めたい子からだ。
「こんなデカいTシャツ、どっから持って来たんだ?」
「ええと…シルバーの部屋の前に…」
パコン!
「イテ!」
後頭部に体育館シューズが飛んできた。
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