453人が本棚に入れています
本棚に追加
要くんもタマちゃんも、手を振って隣のコートへ戻って行った。
ピリリとホイッスルが鳴って、全員が整列する…前半戦の開始だ。
相手チームに副会長の親衛隊がいたらしい…。執拗にマークされるアム。
「マークされる以前に、ルールを良く把握してないんだよね…アムは…。
ほら!両手で掴んだら歩き回ったらダメだって!
ほら!ペナルティー食らった!イエローカードだよ…」
イエローカードは、サッカーだった気がするよ順作くん。
「…言うなら、てめぇでヤレ。」
斜め下を見る順作くん…視線の先のシルバーと目が合った。
シルバーは床にアグラをかいて、体育館シューズでパンパンと床を叩いている。←それを何に使う気だ?
「このままだと負け戦だよねー」
「………」
「負け犬ーとか言われちゃうよねー?」
「………」
「…ねぇ…理事長先生と何約束したって?」
策士か?順作くん!
ビュンと飛んできた体育館シューズを、順作くんはスレスレでよけた。
「お願いします!シルバー様!同じクラスメートではないですか…」
背に腹は代えられないと、脅してみたり透かしてみたり…。
無表情の中に嫌だな感を溢れさせて、シルバーはゆっくり立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!