†14.

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夕方。約束通りの電車で時間通りに駅に着く祖父母と叔父を車で迎えに行った。 車は魚波留で借りたモノで、多少魚臭いのはご愛嬌だ。 アムは主婦のように、お膳を整えて家で待っている。 アムが迎えに来ていないと年寄り共がゴネるのは、毎年の事なので動じる事はないが、久々に家を訪ねる叔父は…申し訳無さそうに小さくなっていた。 玄関先。埃のチェックが入る前に、アムが走って来て年寄り共に抱きつく。 「爺ちゃん婆ちゃん、会いたかった!」 …の声に、年寄り共の目尻が下がって玄関先での粗探しを忘れる。 勝則叔父や勇くんも来て挨拶を済ませてから、カオルくん達を紹介した。 魔王くんは、この場には一切顔を出さない気らしい。 仏壇に手を合わせて珈琲啜りながらアムの作った洋菓子を頬張る。 部屋へ案内して風呂に入ってもらってる間に、仏間の方に夕食の準備を並べる。 熱燗2本と冷えたビール、頂き物の梅のジュースを炭酸水で割った物と冷えた麦茶に日本茶。 勝則叔父(母の弟)と衛叔父(父の弟)を捕まえて、仏壇に愚痴をこぼしながら…俺達兄弟を誉め千切る爺ちゃん。 俺達の心配をしてくれてるのは重々承知だし、有り難いけど…。
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