図書館

4/4
前へ
/4ページ
次へ
「忘れるってのは無理な相談かな、暫くはネタに出来そうだし」 「春野くんのあほ! 馬鹿! 鬼畜! えっと、それと、えーと……ばーか! ばーかばーか!」 「はっはっはっは、なんとでも言うがいいさ」 「もう怒りました、春野くんとはもう口を利きません!」 「ん? 本当に?」 「え? あ、や、その……こ、言葉の綾? というか? 口を利かないのは寂しいかなー、って……」 「じゃあ僕のことは嫌い?」 「いや、まあ、その……別に嫌いじゃ、ない……です。……はい」 「そ。なら普段通りでいいかな」 「ちくしょームカつく! 春野くんのばーかばーか!」 「それはさっきも聞いた」 「結局……私は春野くんに勝てないのか……!」 「……いや、僕はもう負けてるよ」 「へ?」 「今回の宿題ね、調べる音楽家は自分で決めることになってたんだ」 「……それが?」 「僕はバッハを選んだ。それだけ」 「だからどういう……もしかして、また私のことからかってる?」 「あ、バレた?」 「うわーんちくしょー! いつか絶対ぎゃふんと言わせてあげるからね!」 「期待してるよ」 「私はまた本を探してきます! さらばっ」 「はいはい。……さて、行っちゃったか。相変わらず落ち着きがないな。まあ、でも……」 「好きなんだよなあ、バッハ」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加