ミッドチルダに帰ってきて

14/20
148人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
とあくびをかいた朱哉にアインハルトが 「あの朱哉さん」(アインハルト) 「ふぁ?」(朱哉) 「あの……その……」(アインハルト) 「ん?あぁ、あの夕食の時のあれか?」(朱哉) 「あっ……はい空気を台無しにしてしまいました」(アインハルト) 「別に良いってお袋なんかは平気で任務の話をするからな。まぁ俺としては何があったのかは正直気になるんだけどな……」(朱哉) 「あの……それは……」(アインハルト) 「ふぅ。まぁ……その様子から察するけどあんま人に話したくない程なんだろうな……だけど何でもかんでも一人で抱え込むのは体に毒だぜ?そういう話程人に話せば楽になるってもんだぜ」(朱哉) 「朱哉さん…………」(アインハルト) アインハルトは少し俯いてしまうが意を決したのか顔を上げ 「…………分かりました。話します」(アインハルト) 「そっか」(朱哉) 「私が生まれたのはクラナガンから少し離れた静かな町でした……生まれて数年は父とお母さんの三人で朱哉さん達みたく笑顔の絶えない毎日を過ごせてました。あの日までは……」(アインハルト) 「あの日?」(朱哉) 「はい……私がStヒルデ魔導学院初等科に入学して一週間程経った日の事です……その日は初めての授業参観の日でした。そんな日に私のお母さんは居眠り運転してた車に轢かれ……病院に運ばれはしましたが手遅れでした」(アインハルト) 「………………」(朱哉) 「私はお母さんの葬儀の時は棺の前で泣きじゃくりました……無理もないですよね。まだ初等科に入ったばかりで生みの親と永遠に別れる事になったんですから」(アインハルト) 「…………………」(朱哉) 朱哉はただ押し黙ってアインハルトの話を聞いている(ちゃんと起きてます) 「ただ不幸は立て続けに起こるものなんですね……その後一月程経ってお父さんが再婚して私の新しい母となる女性を連れてきました。母はお父さんがいるときは優しい母親をしてました……ただお父さんがいない時は本性剥き出しにして決まって私に外傷が付かないように暴力を奮うのは当たり前でした。酷いときは私に水しか与えないというのも有りましたね……それに母は端からお父さんの人柄に興味が無くてお金欲しさに結婚したとも言いましたし。その時幼いながらに思いました人の強欲さに……そんな生活に嫌気が差し始めた時に私は彼の記憶を夢として見るようになりました」(アインハルト) 「クライス……か?」(朱哉) 「はい……それからの事はご存知ですよね?」(アインハルト) 「……ストリートファイトか」(朱哉) 「……はい」(アインハルト)
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!