第一章 "始まりの夏休み"の始まり

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僕の家は田舎にある。 それも「ド」がつく程の田舎だ。勿論、「エアコン」なんてないし、ましてやバスも通っていない。 カタナカの名前のものなんて「スコップ」とか「サンダル」くらいじゃないだろうか? 田んぼ、畑、山、川… 土地ばかりあって人間の気力はあまり感じられない。 ザ・『田舎』 僕はここで生まれ、育った。 木や草という自然が僕の遊び場であり、遊び相手だった。 いや、同級生の友達もいるか。 竹石大剛(タケーシ ダイゴウ) 通称、巨人。 力持ちでたくましい。野生の人間と呼んでも差し支えないだろう。 ただ、こいつは暑苦しいし、野球なんかに誘われると夕方まで帰って来られない。消えるなら、いつだろうか?イマでしょ!? 「行ってきまーす」 誰もいないのについ口に出してしまう。 そして家から出て一歩…二歩…三歩で大きな人影が目に入る。
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